今回は『着物のQ&A』として、読者の方から寄せられた
着物の紋って何ですか?
どうやって紋を決めればいいですか?
という質問に、”わかりやすく・丁寧に” 回答いたします。
着物・紋|種類・格・TPO
着物・紋とは?|種類・格・TPOまとめ
「着物の紋」は
もともとは「家紋」を表し、家柄(身分)を明らかにするもの
でした。
現在でも、「フォーマル用(礼装用)着物」であれば
本来は「紋」は「家紋」を付けるべき
ですが、最近では
「家紋がない(わからない)」人が多い
ことから
「紋」は「家紋」としなくても良い
とされています(そもそも「家紋かどうか」は他人からは分かりませんので)。
「カジュアル用着物」であれば
「家紋」ではなく「オシャレ紋」をつけることが可能
です。
紋の使い分け フォーマル用 ⇒ 家紋(ただし最近では家紋を) カジュアル用 ⇒ オシャレ紋(なんでもOK)
「紋の種類」は大きく分けて3種類、細かく分けて5種類あります。
<大別3種> ① 染め抜き紋 ⇒ 紋の形を染め抜いたもの。外枠を白で囲った「日向紋」が最も一般的(フォーマル用はほぼ日向五つ紋) ② 縫紋(ぬいもん) ⇒ 刺繍(ししゅう)によって紋をかたどったもの。細かい紋を縫うことは難しいため、略式紋となることが多く、セミフォーマル向け。 ③ オシャレ紋 ⇒ 家紋ではなく、草花や動物を表現した紋。カジュアル着物だけが付けられるオシャレ用。 <小別5種> 1、表紋(ひょうもん) ⇒ 紋の形を白く染め抜いたもの(=日向紋) 2、輪なし ⇒ 表紋から、外枠を取り除いたもの 3、裏紋 ⇒ 紋の輪郭を白く染め抜いたもの 4、のぞき紋 ⇒ 紋の半分だけを表現したもの 5、地落とし ⇒ 紋を黒く染め抜いたもの
紋の種類は多いですが、「紋の選び方」はシンプルです。
まずは「紋の数」を決めます。
フォーマル用(結婚式などの第一礼装) ⇒ 「五つ紋」(紋が胸2、袖2、背中1の計5つ) セミフォーマル用(式典・パーティなど) ⇒ 「三つ紋」(胸2、背中1の計3つ) or 「一つ紋」(背中1の計1つ) カジュアル用(ふだん着・街着など) ⇒ 「紋なし」 or 「オシャレ紋」 ※ 「紋の数」が多いほど「着物の格」は高くなる(5 > 3 > 1 > 0)
次に「紋の種類」を決めますが、深く考える必要はなく、以下の着物常識の通りに選ぶことをおススメします。
フォーマル着物 ⇒ 染め抜き、かつ「日向五つ紋」のみ セミフォーマル用 ⇒ 染め抜き or 縫い紋 カジュアル用 ⇒ 1つ紋まで(基本は紋なし)とする(カジュアル紋は自由に)
着物初心者の人は、最初は「紋の選び方」で迷うと思うので
ジャンル別(シーン別)に着物を購入(レンタル)する
と安心できるでしょう。
最近のネットショップやレンタル店では
・ 結婚式用
・ 卒業式用
・ 観光用
など、TPO別に着物を選ぶことができるため、基本的に
すでに「TPO」に適した紋が選ばれている
はずです。
以上、『着物・紋/種類・格・TPO』についてまとめました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました<(_ _)>